【HEPとは】

 HEP(Habitat Evaluation Procedure:ハビタット評価手続き)とは、複雑な生態系の概念を特定の野生生物のハビタット(生息環境)に置き換え、 その適性について定量的に評価する手法です。HEPでは、生態系の価値をその土地の「質」×「空間」×「時間」によって評価を行います。
  近年、自然再生事業、環境アセスメントにおける代償ミティゲーション、ビオトープ再生活動等々、生態系復元の動きが活発化しています。 そのような生態系復元事業においては、目標設定や成功基準を定量的に示す必要があります。そこで、生態系を定量的に評価する手法であるHEPが注目されてきています。

【HSIモデルとは】

 HSI(Habitat Suitability Index:ハビタット適性指数)モデルとは、ある土地における特定の野生生物のハビタット(生息環境)としての適性を求めるためのモデルです。 モデルは、ハビタットの適性を0(不適)〜1(最適)という値で示す数式、あるいは文章、さらにはそれらをまとめた小冊子という形式で表されます。 また、HSIモデルは、ある土地が特定の野生生物のハビタットとして成立するために最低限守らなければならない条件を定量的に示したものでもあります。 よって、HEPにおける「質」を担うだけではなく、野生生物のハビタットの保全を目的とした保全行為においても適用することができます。

【米国のHSIモデル】

 HEPが最初に開発された米国においては、以下のUSGS(米国地質調査局)のホームページにてHSIモデルが公開されています。ぜひご参照ください。
USGSのホームページ:http://www.nwrc.usgs.gov/wdb/pub/hsi/hsiintro.htm


 さらに詳しくHEPやHSIモデルについて知りたい方は、HEP入門‐<ハビタット評価手続き>マニュアル‐(田中章著)をご参照ください。